海外WiFiレンタル、最適な通信容量は? 使用用途別のおすすめ容量を解説!
海外旅行へ行くと決めたなら、早めに海外WiFi(ワイファイ)レンタルについて調べておきましょう。
海外WiFiは、1台のルーターに複数の端末を接続することができるため、友人や家族など、同行者とシェアしておトクに使えるのが嬉しいポイントです。「ポケットWiFi」などとも呼ばれていますね。
羽田空港や成田空港を始め国際線の空港には必ず窓口が設けられていますし、事前に宅配便などでの受取もできます。事前に公式サイトから予約しておきましょう。
予約の際に問題になってくるのが、「通信容量」です。多くのWiFiレンタルサービスには、規定の容量を超えると通信速度に制限がかけられ大幅に遅くなる「通信容量」というものが設けられています。
海外で通信制限がかかりインターネットが使えなくなってしまう事態は絶対に避けたいですよね。通信容量が大きくなるにつれ利用料金はもちろん高くなるため、「パケットが大幅に余ってしまった……」というもったいないことにもなりたくありません。
どのプランを選ぶのが正解なのでしょうか。適切なプランを選んで海外WiFiを活用することで快適な旅を楽しみましょう。この記事では、容量別にどのような使い方ができるか、通信容量の選び方について徹底解説します!
それぞれの通信容量でできること
海外WiFiをレンタルしようとすると、複数の事業者がさまざまな通信容量のプランを提供していることがわかります。
しかし、「300MB」「1GB」といった数値が表記されていても、実際にどれくらい利用することができるのかピンときませんよね。「大容量」と書かれているプランが、どのように使えるのかもわかりません。
アプリ別通信容量の目安
多くの海外WiFiレンタルサービスは、300〜350MB、500〜600MB、1GBのプランを用意しています。
※イモトのWiFi by XCOM GLOBAL、GLOBAL WiFi、Wi-Ho!、jetfi、テレコムスクエアなどのプランを参照。
各通信容量で、どれくらい利用することができるのか一覧表にまとめてみました。意外な結果かもしれませんよ。
※各アプリ/用途のみで使用した場合を想定。
※instagram、twitter、facebookはアップロードを含まない閲覧のみで計算。
表の情報は、各アプリだけを利用した場合の参考値です。mapを利用して、webページを閲覧して、SNSをチェック・更新して……などとさまざまな用途でスマートフォンを利用していると、通信容量の小さいプランではあっという間に通信制限を迎えてしまうことがわかります。
特に、同行者とシェアして使う際には、それぞれの端末で利用した分が合算されるので、注意が必要です。
容量を消費する旅行中の行動
海外旅行中は、スマートフォンで目的地への道順を確認したり、観光スポットについて調べたりする人が多いのではないでしょうか。
例えば300MBでは、GoogleMapは約81回しか利用することができません。
1日81回と考えると多いように感じられますが、mapは通常拡大・縮小するたびにリロードされるものですし、市街地であれば周りの建物も多いため情報量が多くなり、その分通信容量も大きくなります。
また、どういったサイトを閲覧するかによって容量は大きく異なりますが、webページ閲覧も意外な鬼門です。各通信業者が通信容量を選ぶ参考として出している数値は、検索サイトのトップページなどを元にしているようですが、実態に即していないと言えるでしょう。
Googleの推奨するWEBページの容量は1.6MB以下ですが、これを満たしているものでも300MBでは187.5回しか表示することができません。
しかも、観光スポットに関するページは画像がたくさん利用されており、容量が大きい傾向にあります。
たとえば、世界的な観光スポットの公式サイトのトップページは、以下のような容量でした。
7866のWebページの平均容量は約2.43MBだったというデータもあります。某大手海外WiFiレンタル事業者のサイトには300MBでwebページが約2000回閲覧できると記載されていますが、実際はその10分の1にも満たないページ数で通信制限に至る可能性が高いと言えるでしょう。
あなたの使い方にピッタリな通信容量は?
それでは、使い方ごとにどのような通信容量が最適なのか、多くの業者が提供している通信容量300MB・500MB・1GBを例に取ってご紹介していきます。
海外WiFiルーターは同行者とシェアして使う、という方が多いと思われるので、ひとりで使う場合に加え、同行者とシェアする場合の2パターンを想定してご説明しています。
なお、同時に接続している端末の台数が増えれば増えるほど通信速度が落ちてしまうので、通信容量だけでなく通信速度のことも考えると、3人以上でのシェアはあまりおすすめできません。
300MB: 最低限の連絡手段確保に
あまりスマートフォンを使うつもりがないという人のひとり旅なら、300MBのプランで良いでしょう。
また、通信容量は意外にもシビアで注意が必要だということをご説明してきましたが、テキストメッセージのやりとりはほとんど通信容量を使いません。
つまり、mapやwebサイトの閲覧もほとんど行わず、メールやLINEで連絡が取れさえすればいい、という場合であれば、2人でも300MBで十分な可能性があります。
300MBのプランのメリットは、大容量プランに比較して安価なことです。価格を抑えて連絡手段を確保したい、という方は、視野に入れてみるのも良いかもしれませんね。
ただし、LINEやメールは、送信だけでなく受信にも通信容量がかかるので、不意に大容量の受信をしてしまうことがないように注意してください。
500MB: ひとりでたっぷり/ふたりでちょっとずつ使いたい
ツイッターやインスタグラムなどのSNSのチェックや更新、ソーシャルゲームのプレイなどを行う方は、ひとりでの利用でも余裕を持って500MBのプランがおすすめです。
SNSの閲覧には意外なほど通信容量がかかりますし、更新の際はなおさらです。ひとりで1日あたり500MBあれば、通信制限がかかる心配はほとんどなく、安心してインターネット環境を楽しめますよ。
また、あまりスマートフォンを頻繁に使わない、という人たちであれば、2人でも利用できるでしょう。通信容量はシェアされているので、調べ物などはどちらか一方が行うようにしましょう。
1GB: 大容量通信が欠かせない/同行者と安心してシェアしたい
海外WiFiレンタルの事業者の多くは、1GBのプランを用意しています。
2人でシェアする場合でも、1GBあれば安心して使うことができますよ。
気兼ねなくSNSの更新やwebサイトの閲覧など、インターネット環境を楽しむことができます。価格も、300MBのルーターを2台借りるよりもはるかに安く設定されています。
シェアすることでおトクに使うことができますね。
また、出張など旅先でも仕事があってPCも同時に使う、大容量のデータ通信が必須、という方にもピッタリです。
それでも通信容量が不安……という方は、無制限のプランを提供している事業者もあるのでチェックしてみてくださいね。
注意点
普段のデータ通信量を把握しておこう
データ通信量は個人差があります。今回、このページで紹介している通信量目安は、あくまで目安です。プランを選ぶ際には、自分自身の普段の通信量を知っておくのがおすすめです。
スマートフォンの通信量は、各キャリアのマイページや設定画面などから確認することができます。
3大キャリアの方はこちらからログインしてご確認ください。
キャリアや端末によって表示の状態・方法は異なりますが、1日分、もしくは1ヶ月分の通信量が確認できることがほとんどです。
1ヶ月分の通信量が表示された方は、1日分のデータ通信量が何MBなのか計算してみましょう。
※単位がGBの場合は1000倍すればMBに変換できます。
1日あたりの通信量が表示された方は、数日分の平均を出してみるのがおすすめですよ。
ちなみに、仕事中と睡眠中以外はソーシャルゲームとTwitterに張り付いており、自宅ではWiFiに接続してスマートフォンを使用しているSENTAKU編集部の一員がデータ通信量を計算したところ、1日あたり平均371.921MBでした。キャリア回線を使用している時間は1日4〜5時間ほどだと考えられます。
スマートフォンを頻繁に使うという方は、一人でも1日300MBのプランでは通信制限を迎えてしまうことがわかりますね。
いざというとき通信制限がかかってしまわないよう、多めにみておくのが安心ですよ。
普段のWiFi利用頻度を鑑みる
普段はキャリア回線をあまり利用せず、ほとんどの時間はWiFiに繋いでいる、という方は、海外旅行中は通信量が大幅に増えてしまう可能性があります。
その分は忘れず計算に入れるようにしましょう。
キャリア回線での通信でもWiFiに繋いでいても、ほぼ変わらない用途でスマートフォンを利用している、という方は、時間あたりのキャリア回線の通信量を計算して、1日あたりの通信量に換算するのもよいかもしれませんね。
大容量のデータ通信はWiFiに接続して行うようにしている、という場合は、海外旅行中も大容量通信はホテルのWiFiで行うよう心がけましょう。
同行者の通信容量を概算・合算しよう
今回の海外WiFiは、ひとりだけで使用しますか?
同行者とシェアする場合は、その方の分も、データ通信量を概算・合算してくださいね。モバイルルーターを共有すると通信容量もシェアされることになるので注意しましょう。
海外WiFiレンタルで借りられるモバイルルーターは機種にもよりますが、理論上は5〜10台の端末を同時接続することが可能です。
接続台数が増えるとバッテリーの減りが激しくなったり、通信速度が低下したりするため、あまりたくさんの端末を同時に接続することはおすすめできませんが、2〜3人のグループであれば、1台で問題なく利用できます。
大容量通信は避けよう
できるだけ普段と変わらない、快適なインターネット環境を海外で利用するための方法をお伝えしてきました。しかし、国外ならではの事情は完全には避けられません。
結論から言えば、スマートフォンアプリのダウンロードやアップデート、youtubeなど動画の閲覧などは、モバイルルーターの回線を通じては行わないのがおすすめです。
短期間にあまりに大容量の通信を行うと、プランに定められている通信容量とは別に制限がかけられてしまう可能性があるためです。
一度この制限をかけられてしまうと、レンタル期間中の復旧はできないので要注意ですよ。
フェア・ユーセージ・ポリシーって?
「Fair Usage Policy(フェア・ユーセージ・ポリシー)」という、データ通信を公平に利用するための国際的な指針があります。
どれだけ通信を行うとこの「FUP」に抵触するかに関しては、各レンタル事業者・現地通信業者によって異なり、渡航先の国の電波状況によって異なります。
電波は、各国の政府機関がそれぞれの電波帯を各通信事業者に振り分けています。それを各通信事業者がユーザーに提供している形です。「皆で使う公共のもの」ということですね。
近い周波数の電波を同時に利用する人の数が増えたり、大容量通信を行う人がいると、繋がりにくくなったり、他の人の通信速度が遅くなったりしてしまいます。また、1日にメール数通しか利用しない人と、毎日大容量通信を行う人が同じ利用料金を払うのも不公平ですよね。
フェア・ユーセージ・ポリシーは、電波を皆で使うための「約束」のようなものです。
基本的には、プランに定められた容量を超えるまでは抵触する可能性は低いのですが、先に上げたような短時間中の大容量データ通信を行うと、回線に負荷がかかってFUPに抵触したとみなされることがあるようです。
どうしても大容量の通信を行いたい場合は、ホテルなどのWiFiを利用するのがおすすめですよ。ただし、セキュリティには十分留意してくださいね。
容量のリセットタイミングに注意
海外WiFiレンタルの通信容量は、多くの場合1日あたりの上限として定められています。
しかし、この通信容量がリセットされるタイミングは、現地時間の0時とはかぎらないようです。
どのタイミングでリセットされるかは、渡航先や利用するレンタル業者によって異なります。
フェア・ユーセージ・ポリシーに抵触しないためにも、基本的には通信容量を目一杯を使い切るのではなく、余裕を持ったプランを利用するのが良いと言えるでしょう。
まとめ
あなたにピッタリな海外WiFiの容量はわかりましたか?
mapの閲覧などでも意外なほど通信容量を使ってしまうので、海外WiFiは余裕を持った容量を選んでおくのがポイントですよ。特に同行者の方とシェアする場合には、最低でも500MBのプランを選んでおくようにしましょう。
また、海外WiFiは、渡航先やトランジット(飛行機の乗換え)を行うか、一国だけへの旅行なのか、それとも周遊旅行なのか、といった旅程によっても最適なプランが異なります。詳しくは以下の記事で解説しているので、ぜひご確認くださいね。
また、別の記事で海外WiFiレンタルを徹底的に比較した結果を公開しています。
⇒【大手5社を実際に利用】海外WiFiレンタルを比較!速くて繋がり易いWiFiはこれだ!